青函連絡船の廃止という節目を経て、新幹線の開通により今また大きく変化しつつある青森市。駅と周辺の建築物の変遷を辿り、この都市の成り立ちを再認識するとともに、在来線と新幹線2つの駅をもった交通都市青森の今後を展望する。





 特集は「風景は成長したか」。宮本常一「私の日本地図3 下北半島」、太宰治「津軽」、二冊の名著に記された下北、津軽の姿は、その後どのように変化したのか。二人の旅を辿った撮り下ろし写真と、昭和期の同地点の写真を比較し、何が新しく生まれ、何が失われたのか、建築の近代化や開発がもたらした風景の変化を検証します。建築家・内藤廣氏の書き下ろし「風景の消滅と再生」を収録。
 「Ahaus Selection」では、青森の風土が生んだ青森のFOODたちを紹介。特集と合わせて、各特産品のふるさとの風景を思い浮かべながら読んでみてください。
  建築家・三沢浩氏による連載「偉大なる建築家たちとの出会い」は、チャールズ・ムーアの自邸横にある不思議な「かまくら」を訪ねた話です。





巻頭特集では、雪と寒さ、積雪地地特有の生活条件への対応、コンパクトシティにおける役割、地域にねざしたデザインなど各面から青森の集合住宅の現状を検証。他の雪国の参考事例や、社会・経済環境の変化に対応した新たな集住の形も紹介します。
「近代集合住宅の成立と変遷」鎌田一夫、「青森の公営集合住宅の歴史と現状」月舘敏栄、「北海道の集合住宅 雁木のある暮らし」瀧田展明、「秋田県の集合住宅 現代計画研究所の仕事」藤本昌也氏インタビュー、「コンパクトシティにおける集合住宅の真の役割」北原啓司など。
このほか、連載「建築家が考える住むための建築」は野沢正光氏による住宅や団地の再生に関するお話。三沢浩氏の連載エッセイ「偉大なる建築家たちとの出会い」は「チャールズ・ムーアとバークレーで」。特別寄稿として南明日香氏によるフランスでの景観保存をめぐる論争のレポート「ル・コルビュジエvs.レンゾ・ピアノ? 世界遺産候補ロンシャンをめぐる論争」を掲載。





1975年、黒石市温湯に完成した子供図書館「黒石ほるぷ子ども館」。30余年の間、地元の子供たちに親しまれてきたこの小さな木造の建物に、設計者の菊竹清訓氏が込めた思いとは。世代を超えて親しまれてきた同館の歴史と、菊竹氏の言葉を通して「地域にとけ込む建築」の意味を考えます。また同じく菊竹氏の設計による「弘前市社会福祉センター」と、小川惇氏の解説とともに盛岡市の菊竹作品も紹介します。
このほか、三沢浩氏による連載エッセイは『丹下健三と金門橋を渡る』、木下庸子氏がこれまでご自身が暮らした住まいの歴史を振り返る『私の「住まい感」の原風景』、暮沢剛巳氏による『現代美術は街を変えられるかー十和田市現代美術館の場合』など。





今和次郎が歩き、人と語り、記録したフィールド…都市、農村、雪国。後年、吉阪隆正とその教え子たちが和次郎の生地青森で取り組んだのは、都市、農村、雪の問題でした。師弟がみつめ続けたものと青森の関係を、膨大に残された資料と関係者の証言でたどる特集「今和次郎と吉阪隆正 師弟のまなざしと青森の都市・農村・雪」。
建築家三沢浩氏が世界の建築家たちとのふれあいを綴る新連載「偉大なる建築家たちとの出会い」。第一回は「ルイス・カーンを京都で案内する」。連載「建築家が考える住むための建築」は相田武文氏による自作「積木の家」のお話。




お詫びと訂正
本誌74ページ、十和田アートプロジェクトの全体像に関するテキストは、ナンジョウ アンド アソシエイツ代表 長田哲征氏よりご寄稿いただきました。誌面に執筆者名の記載がなく、関係者、読者の皆様にたいへんご迷惑をおかけしました。謹んでお詫び申し上げます。